熱放射について
- 温度が0℃の固体表面からも、熱放射を放出している。
- 物体表面の日射吸収率は、必ずしも長波長放射率と等しくない。
- 同一温度の物体間での放射に関し、物体の放射率と吸収率は等しい。
- 物体表面から放射される単位面積当たりの放射熱流は、絶対温度の4乗に比例する。
- 太陽放射は、可視光である0.38µm~0.78µm付近の電磁波の比率が大きい。
- 常温物体から放射される電磁波は、波長が10µm付近の赤外線が主体であり、長波長放射と呼ぶ。
建築材表面の長波長放射率と日射吸収率
日射吸収率「大」 | 日射吸収率「小」 | |
長波長放射率「大」 | 黒色ペイント アスファルト | 白色ペイント |
長波長放射率「小」 | 亜鉛鉄板 | 光ったアルミ箔 |
- 白色ペイントは、光ったアルミ箔よりも長波長放射率が大きい。
- 白色プラスターの日射吸収率は、約0.1である。
- 黒色ペイントの日射放射率は、約0.9である。
- アスファルトの長波長放射率は、約0.9である。
デキビル
日射吸収率と長波長放射率は重要ポイントです。両方とも高いのは黒色ペイント、両方とも小さいのは光ったアルミ箔です。黒色ペイントは吸収率だけでなく、長波長放射率も高いのです。
熱移動について
- 固体内での熱流(熱の流れ)は、局所的な温度勾配に熱伝導を乗じて求められる。(熱伝導抵抗ではない。)
- 熱伝達は熱放射と対流によって行われ、その熱流量はそれぞれの熱流量の和となる。
- 均質的な材料で作られた壁内部の温度は、定常状態であれば厚さ方向へ直線分布となる。
- 対流熱伝達率は、壁表面の粗度の影響を受ける。
- 熱貫流率は、外部の風速が大きいほど大きくなる。
- ガラス繊維などの断熱材の熱伝導率が小さいのは、繊維材によって内部の空気の流動が阻止されることによる。
熱伝導率について
- 一般に、密度が大きい材料ほど、熱伝導率は大きくなる。
- 同一材料でも、一般に内部に湿気を多く含むほど熱伝導抵抗は小さくなる。
- 同一材料でも、一般に熱伝導抵抗は温度によって異なる。
→湿気・温度・密度が高く、多いほど熱伝導率が高くなる。逆に熱伝導抵抗は小さくなる。(熱伝導率と熱伝導抵抗は違うので注意)
中空層(材料の間の空気の層)の熱抵抗について
- 中空層の熱抵抗は、中空層の密閉度に関係する。
- 中空層の熱抵抗は、一定の厚さ(2-5cm)までは厚さが増すにつれて増大するが、それ以上でほぼ一定になる。
熱移動の関連用語とその影響要因の組み合わせ
- 対流熱伝達率:境界層外部風速
- 中空層の熱抵抗:熱流の方向
- 熱伝導率:材料の密度
- 熱貫流抵抗:固体壁の厚さ
湿り空気と湿度、室内環境について
- 湿り空気中の水蒸気の分圧を水蒸気分圧という。
- 相対湿度とは、「同じ温度での飽和水蒸気圧」に対する「水蒸気分圧」の比である。
- 相対湿度とは、「ある湿り空気の水蒸気分圧」と「その湿り空気と同一温度の飽和水蒸気分圧」との比を百分率で表したものである。
- 飽和度とは、「ある湿り空気の絶対湿度」と「その湿り空気と同一温度の飽和空気の絶対湿度」との比を百分率で表したものである。
- 顕熱比とは、「顕熱の変化量」と「全熱(顕熱と潜熱)」の変化量との比である。
- 熱水分比とは、「比エンタルピーの変化量」と「絶対湿度の変化量」との比である。
- 露点温度とは、湿り空気を冷却した時飽和状態になる温度のことである。
- 露点温度における湿り空気では、乾球温度と湿球温度は等しい。
- 暖房期における低湿度の改善は、室内空気環境管理にかかわる大きな課題である。
- 同じ室内であっても、室内温度は垂直的にも平面的にも、多少は不均一である場合が多く、その差が小さければ問題はないが、大きい場合には不快感や生理的障害などの原因になる。
- 室内における空気中の水分量そのものの空間的な分布は比較的小さい。
デキビル
相対湿度、飽和度、顕熱比、熱水分比の言葉の意味について問われます。不適切選択肢として、絶対湿度を相対湿度と書かれていたり、全熱を顕熱とかかれていたりするので注意しましょう。
結露について
- 局部的に断熱が途切れて熱橋となった部分は結露しやすい。
- 冬期において戸建て住宅では、外気に面した壁の出隅部分の室内側で結露しやすい。
- 室内で家具などを外壁に接して設置すると結露しやすい。
- 壁の内部結露の防止には、水蒸気分圧の高い側に防湿層を設けることが有効である。
- 室内で発生する水蒸気の量を必要以上に大きくしないことが、結露防止にとって重要である。
- 暖房時の壁体の内部や表面での結露を防止するには、壁体内において、水蒸気圧の高い側に湿気伝導率の低い防湿層を設けることが有効である。(黄色の箇所が語句の組み合わせで出題されました。)