排水トラップ・阻集器について
トラップ
排水管等の悪臭等が建築物室内側に侵入しないように水封式トラップを設ける。
サイホントラップ
封水損失を起こしやすいが、小型で自掃作用を有する。 自掃作用とは排水の流下水勢により、トラップの封水部に沈積又は付着する恐れのある夾雑物を押し流す作用をいう。
- Pトラップ
- Sトラップ
- Uトラップ
非サイホントラップ
サイホン現象が起きにくく、封水強度の大きいトラップである。特にドラムトラップ、ボトルトラップは脚断面積比が大きく破封しにくい構造である。
- ドラムトラップ
- ドラムトラップは、実験排水などの固形物が排出される恐れのある個所に用いられる。
- わんトラップ
- ボトルトラップ
阻集器の種類
阻集器は排水管を閉塞させたり、廃水施設に損害を与える有害な物質を阻止、分離、収集して排水のみを自然流下させることが目的となる。阻集する物質の種類によって分けられる。
- グリース阻集器:厨房の油脂分を阻止、分離、収集
- グリース阻集器の厨芥:毎日除去
- グリース阻集器のグリース除去:7-10日に1回
- グリース阻集器の槽内の底、壁面等に付着したグリースや沈殿物を高圧洗浄:1か月に1回
- グリース阻集器のトラップ清掃:2か月に1回
- 飲食店などのグリース阻集器内で発生する廃棄物は、産業廃棄物として処理する。
- プラスタ阻集器:プラスタ・貴金属の阻止、分離、収集
- オイル阻集器:ガソリン及び油類の阻止、分離、収集
- 開放式のオイル阻集器を屋内に設置する場合、屋内換気を十分に行う。
- 砂阻集器:土砂・石粉・セメント等を阻止、分離、収集
- 砂阻集器は、建築現場等から多量に排出される土砂、石粉、セメント等を阻止、分離、収集するために設ける。
- 砂阻集器に設ける泥だめの深さは、150mm以上とする。
- 毛髪阻集器:美容室・浴場等の排水中の毛髪を阻集
- 繊維くず阻集器:洗濯施設での繊維くずを阻止、分離、阻集
- 繊維くず阻集器には、金網の目の大きさが13mm程度のバスケットストレーナを設置する。

デキビル
トラップの種類は基本的事項です。トラップの組み合わせを混ぜた選択肢が出題されます。
封水について
- 封水強度とは排水管内に正圧または負圧が生じた時の封水保持能力のことをいう。
- 排水トラップの脚断面積比が大きくなると、封水強度は大きくなる。
- トラップの脚断面積比は、流出脚断面積を流入脚断面積で除した値をいう。
- トラップのウェア(あふれ縁)に糸くずや毛髪が引っかかると、毛細管現象で封水が減少する。
- トラップにかかる圧力変動の周期と封水の固有振動周期が近いと共振現象を起こし、封水の水の損失が大きくなる。
その他トラップ、阻集器について
- 阻集器を兼ねる排水トラップの深さは、下限値を50mmとし、上限値を定めない。
- 排水トラップの深さとは、ディップからウェアまでの垂直距離をいう。
- 排水トラップが組み込まれていない阻集器には、その出口側に排水トラップを設ける。
- 排水トラップが破封した場合には、排水管内の臭気や衛生害虫などが室内へ侵入する可能性がある。
- 間接排水管の配管の長さが、1500mmを超える場合は、悪臭防止のために機器に近接してトラップを設ける。
排水再利用設備について
- スクリーンにおいては、汚物が堆積しないように適時処理する。
- 流量調整槽においては、ポンプなどの作動状況及び水位、流量を確認する。
- 活性炭処理装置においては、通水速度を適正に保持する。
- ろ過装置においては、ろ材の洗浄が適切に行われていることを確認する。
- スクリーン:汚物の除去
- 膜処理装置:透過水量の点検
- ろ過槽:損失水頭の算出
- オゾン処理装置:色度の測定
- 生物処理槽:MLSS濃度の調整