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給水及び排水の管理

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衛生器具設備について

衛生器具の分類

  • 衛生器具は、給水器具、水受け容器、排水器具、付属品の四つに分類される。
    • 給水器具:給水栓、洗浄弁、ボールタップ等
    • 水受け容器:大便器、小便器、洗面器、
    • 排水器具:排水金具、トラップ
    • 付属品:鏡、化粧棚、石鹸受け

衛生器具設備に関すること

  • 飲料水に接する部分の材質は、人体に有害な成分が溶出しないことが求められる。
  • 衛生器具の材質は平滑な表面を持ち、吸水・吸湿性がなく、衛生的であることが望ましい。
  • 洗面器は、取り付け状態を2か月に1回点検することが望ましい。
  • 洗面器における吐水口空間は、水洗の吐水口端と水受け容器の上縁との垂直距離である。
  • 衛生器具設備をユニット化すると、防水処理工事や、養生作業が軽減できる。
  • 便所で器具利用が短時間に集中し、利用者の一部が待つことがある状態を集中利用形態という。
  • 節水機能を導入する場合は、給水器具からの吐水量の削減だけでなく、排水管内の流下特性などにも配慮する。
  • 浴室用ハンドシャワーの配管途中には、バキュームブレーカや逆流防止機能を有する者を取り付ける。

衛生器具の清掃

  • 陶器製の衛生器具に湯を使用する場合、熱湯を直接注ぐと割れることがある。
  • プラスチック製の衛生器具は、水やぬるま湯に浸した柔らかい布を絞って拭く。
  • ステンレス製の衛生器具に付いた脂汚れは、中性洗剤を付けたスポンジなどで洗い、洗剤分を完全に洗い落とす。
  • 洗面所の鏡についた水分をそのままにしておくと表面に白い汚れが付きやすいので、乾いた布でこまめにふき取る。
  • ほうろう鉄器製の衛生器具は、金属タワシやナイロンタワシは傷が付くので使用してはならない。
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大便器について

水封式大便器の種類

2014年のJIS A 5207「衛生器具・便器・洗面器類」の改正では大便器洗浄方式は洗落とし方式とサイホン式にまとめられた。

  • 洗落とし式
    • 洗い落とし式大便器は、洗浄時にトラップ部の溜水面が上昇し、その落差により汚物を排出する。
  • サイホン式
    • サイホンゼット式は、臭気の発散が少なく、ボール内乾燥面への汚物の付着がほとんどない。(サイホンゼット式便器はサイホン式の中にまとめられた。)
  • 洗出し式
    • 洗い出し方式は、水たまり部がかなり浅いため跳ね返りが少ない反面、臭気が発生しやすい。
    • 主に和風便器に使われる。
  • サイホンボルテックス式
    • 大量の洗浄水を使用するため採用されなくなった。
  • ブローアウト式
    • ブローアウト式は、噴出穴から洗浄水を噴射させ、勢いで汚物を排出する方法である。
    • 大量の洗浄水を使用するため採用されなくなった。

大便器の給水方式

大便器の給水方式には、タンク式、洗浄弁式、専用洗浄弁式がある。

大便器の洗浄タンク内の汚れの状態は、6か月に1回点検する

  • タンク式(ロータンク式、ハイタンク式)
    • ロータンク内のボールタップは、止水機能を備えていなければならない。
  • 洗浄弁式
    • 給水管の水を直接便器に給水する方式である。
    • 連続使用が可能な為、駅、ホテル等の共用部に使用される。
  • 専用洗浄弁式
    • 外観が美的であり、清掃がしやすい。
    • 住宅を中心にタンクレス便器が普及している。
    • 大便器の専用洗浄弁式はバキュームブレイカを具備することが規定されている。

温水洗浄便座への給水について

  • 温水洗浄式弁座への給水は、上水を用いる。
  • 温水洗浄式弁座の給水に、再利用水配管を接続してはいけない。

大便器洗浄弁

洗浄弁は、大小便器を洗浄するための水量を給水するための器具のことである。

作動方法

  • ハンドル式
  • 押しボタン式
  • ペダル式
  • 電気開閉式(押しボタン式、センサ式、タッチスイッチ式)
  • 大便器洗浄弁に必要な最低動水圧は、70kPaである。
  • 大便器洗浄弁は、給水管が洗浄弁を介して大便器と直結されることになるため、汚水が給水管内に逆流する危険がある。
    • そのため、大便器洗浄弁には、大気圧式バキュームブレーカを設置する。
    • 大便器洗浄弁に圧力式バキュームブレーカを設置してはいけない。
  • 大便器の節水型洗浄弁は、ハンドルを押し続けても、標準吐出量しか吐水しない機能を有している。
  • 大便器における節水型洗浄弁では、逃し弁を二重構造としたノンホールディング機構の洗浄弁を一般的に使用する。

節水型大便器

  • 節水の大便器の洗浄水量は8.5L以下としている。
  • 節水の大便器の洗浄水量は6.5L以下としている。

小便器について

  • 小便器洗浄弁に必要な最低動水圧は、70kPaである。
  • 小便器の排水状態は、6か月に1回定期に点検する。
  • 小便器のリップの高さとは、床面から「あふれ縁」までの垂直距離をいう。
  • 小便器床設置型は、乾燥面が広いため、洗浄に注意しないと臭気が発散する。
  • 使用頻度の高い公衆便所用小便器の排水トラップは、着脱式が望ましい。
  • 小便器の壁掛け型は、駅やホテルの共用部などにおいて床清掃のしやすさから選定されている。

給水方式

洗浄方式は、一般に洗浄水洗方式、洗浄弁式、自動洗浄方式の3つに分けられる。

  • 洗浄水洗方式
    • ハンドルの開閉によって洗浄を行う。
    • 人為的な操作のため確実性がない。
  • 洗浄弁方式
    • 押しボタンやレバーを押すことで洗浄を行う。
    • 一定量吐出後に自動的に閉止する。
    • 洗浄弁方式は、利用人員の多い事務所、店舗、駅、ホテル等の共用部に採用される。
  • 自動水洗方式
    • 節水を目的とした小便器には、個別感知洗浄方式や照明スイッチとの連動による洗浄方式などが用いられている。
  • 手動式小便器洗浄弁は、使用後に人為的な操作が必要な為、公衆便所に向いていない。
  • 個別感知洗浄方式は、センサを個別の小便器に取り付けたもの。
  • 集合感知洗浄方式とは、天井などに取り付けたセンサーで使用者を感知し、連立した小便器の同時洗浄を制御する方式である。

衛生器具周りの故障の原因

  • 便器と床面の間が濡れている:フランジ部シール材の取り付けが不良
  • 汚物が十分に流れない:排水路に異物が詰まっている。
  • 洗浄弁のハンドル部から漏水:ハンドル押し棒部の取り付けナットが緩んでいる。
  • 少量の洗浄水が流れっぱなしである:洗浄弁のシート、シートパッキンが損傷している。
  • 洗浄時間が長い:洗浄弁のピストンバルブのストレーナが詰まっている。
  • 混合水栓の適温が得られない:水圧と湯圧の差が大きすぎる。
  • 洗面器にためた水が減る:ポップアップ式排水栓が締まっていない。
  • 小便器の排水の流れが悪い:排水管内にスケールが付着している。
  • 小便器内が十分に洗浄されない:水出入口穴に異物が詰まっている。
  • サイホン式大便器の溜水面が正常より小さい:タンク内の補助水管がオーバーブロー管内から外れている。
デキビル
デキビル

タンク内の補助水管がオーバーブロー管内に差し込まれているのが正常状態です。よく出題される重要ポイントです。