建築物内廃棄物の発生量
建築物における廃棄物の発生量を把握する際に使用される一般的な原単位は、kg/(㎡・年)が用いられる。なお、発生量が多い場合は、kg/(㎡・日)または、重量の代わりに容量で示すL/(㎡・日)が用いられる。
その他、人の利用者数で廃棄物発生量が左右される図書館はkg/(人・年)が使用される。
また、廃棄物の質を表す単位は、「単位容積質量値」であり、kg/㎥またはkg/Lが用いられる。
建築物内の廃棄物管理
- 悪臭の影響を抑制するため、第3種換気設備を設ける。(負圧とする。)
- 出入口は自動ドアとする。
- 防虫・防鼠(ネズミ)構造とする。
- 床排水のため、適度な勾配を確保する。
- 厨芥の臭い対策のため、冷蔵庫・冷房設備は有効。
- 廃棄物処理の帳簿は5年間保管する。
- 廃棄物保管場所の給水栓は、大気圧式のバキュームブレーカ付とする。
- 雑芥とは、紙くずと厨芥を混合したものである。
- 紙屑類の収集は、一般にカンバス製のコレクタが用いられる。
- 感染性廃棄物は速やかに処理をする。(長期間保管は危険である。)
- 建築物内に診療所がある場合は、診療所が特別管理産業廃棄物管理責任者を置かなければならない。(建築物所有者ではない。)
- 家庭から排出される廃棄物の方が、事務所建築物から排出される廃棄物より、単位容積質量値は大きい。
- 特定建築物の清掃作業に伴って生じる廃棄物(廃液など)の取扱については、廃棄物処理法に加えて下水道法、水質汚濁防止法等の規定を遵守し、適切に処理する必要がある。
建築物内の廃棄物管理(中間処理方法)
- OA紙・再生紙:圧縮(圧縮率は1/4~1/3のものが多い。)、梱包、切断
- 新聞紙・雑誌・段ボール:梱包(切断しない・シュレッダーを使用しない。)
- 缶類:圧縮(自動でアルミと缶スチール缶を分別圧縮し、ブロック条にする方式がある。)
- 缶類の処理として、自動的にスチール缶とアルミ缶を分けて圧縮し、ブロック状にする方式がある。
- 厨芥:冷蔵、発酵(コンポスト:堆肥化装置)、乾燥、脱水、粉砕
- 厨芥類を処理する生ごみ処理機には、減量を目的とした乾燥機や、リサイクルを目的とした堆肥化装置がある。
- プラスチック(発泡スチロール):圧縮、梱包、溶融(溶融固形化装置:熱で溶かし固めるもの)
建築物内廃棄物の各関係者の基本的役割
- 国・地方公共団体は、廃棄物に関する教育・啓蒙を行う。
- 建築物の所有者は、建築物内廃棄物の管理責任者を選任する。
- 建築物維持管理権原者は、建築物内廃棄物の処理に必要な容器、収集場所、保管場所等を適切に準備する。(ビルメンテナンス事業者ではない)
- 建築物内廃棄物処理事業者は、廃棄物の減容化に努める。
- 廃棄物処理業者は、分別可能廃棄物を明確にする。
- ビルメンテナンス事業者は、建築物内廃棄物の収集、運搬、処理、保管を実施する。
- ビルメンテナンス事業者は、必要な場合に建築物内廃棄物の事後分別を行う。
- ビル入居者は、廃棄物の減量化・減容化に努める。
- ビル入居者は、廃棄物処理のルールを徹底させるため責任者を選任する。
事業用大規模建築物に対して市町村長が指示できること
- 減量計画の作成
- 適正な分別・保管場所の設置
- 廃棄物管理責任者の選任・届け出(清掃作業管理者ではない)
- 具体的な運搬方法・運搬場所
お疲れさまでした。「清掃」は以上となります。
適宜、記事内容をより良くしていきますので、また読んでいただけると嬉しいです。
是非、ほかの記事もご参照下さい。
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