事業の登録制度
事業の登録制度とは
- 事業登録制度は、建築物の環境衛生上の維持管理を行う事業者の資質の向上を図っていくため設けられた制度です。基準をクリアした事業者は都道府県知事の登録を受けることが可能です。登録を受けていなくて事業は可能ですが、登録事業者であることの表示はできません。
事業の登録:8事業
- 飲料水水質検査業
- 飲料水貯水槽清掃業
- 排水管清掃業
- ねずみ昆虫等防除業
- 環境衛生総合管理業
- 空気調和用ダクト清掃業
- 空気環境測定業
- 清掃業
登録事業について
- 有効期間6年(6年ごとの再講習)
- 営業所ごとに都道府県知事の登録
- 営業所、職種ごとに監督者(兼務不可)
- 登録なしだと営業の表示ができない(営業は可能)
- 清掃控室程度では営業所として登録できない。
- 建築物衛生法に基づく事業の登録に関する事務は、都道府県知事が行う。
- 都道府県は条例により独自に登録基準を定めることはできない。(厚生労働省令で定められている。)
- 特定建築物に選任されている建築物環境衛生管理技術者は、登録事業の監督者等を兼務することはできない。
変更の届出
- 営業所の名称
- 清掃作業監督者
- 主要な機械器具その他の設備
- 機械器具その他設備の維持管理方法
従事者の研修方法は含まれない。
名称、所在地又は代表者を変更したときは、遅滞なく厚生労働大臣に届け出なければならない。
登録基準について
- 物的基準(機械器具・設備)
- 人的基準(監督者等・従事者等)
- その他の基準(作業方法・機械器具やその他の設備の維持管理の方法が基準に適合していること)
が一定の基準(厚生労働省令)を満たしている必要がある。
よく出題される「登録基準」抜粋
事業 | 機械器具 | 設備 |
---|---|---|
空気調和用ダクト清掃業 | 内視鏡が必要 | |
排水管清掃業 | 内視鏡が必要 | 保管室が必要 |
飲料水水質検査業 | 検査室が必要 | |
飲料水貯水槽清掃業 | 保管室が必要 | |
ねずみ昆虫等防除業 | 保管室が必要 |
よく出題される「人的基準」抜粋
事業 | 監督者等 | 従事者等 |
---|---|---|
飲料水水質検査業 | ビル管理士の免状があっても監督者になれない。 | 研修の修了は不要 (研修がなくても従事者となれる) |
ねずみ昆虫等防除業 | ビル管理士の免状があっても監督者になれない。 | |
空気環境測定業 | 研修の修了は不要 (研修がなくても従事者となれる) | |
建築物環境衛生総合管理業 | 統括管理者 清掃作業監督者 空調給排水管理監督者 空気環境測定実施者 |
デキビル
登録8事業は重要ポイントです。必ず覚えましょう。「水水排ね」は保管室、検査室が必要な事業になります。具備すべき要件が事業により微妙に異なり、出題されることが多いです。
空気環境測定について
空気環境測定とは
- 空気環境測定は人の生活している空間が、環境衛生上の基準を満たしているかを測定することです。
空気環境測定について
- 2か月に1回、通常利用時、各階1か所以上、居室中央、床上75-150センチの高さで2回(午前・午後)計測
- 「気温、湿度、気流」は2回とも基準値以内(常に基準に適合しているか否かにより判断)
- 「一酸化炭素、二酸化炭素、粉塵」は1日の使用時間中の平均値と基準とを比較して行う(連続測定による算定が建前)
- 実際には、適切な二時点において測定し、その平均値をもって当該平均値としている。
- ホルムアルデヒドは大規模修繕があった時から初めて迎える6/1-9/30の間に計測
デキビル
つまり、大規模修繕に該当しなければ実施しなくていいということです。「中規模修繕を行った・パーテーションを入れ替えた」等は大規模に当たらず、ホルムアルデヒドの計測は必要ありません。
空気環境測定で出題される誤った選択肢
- ×:新築の特定建築物では、最初の1年間は毎月測定しなけれればならない。
- ×:年間を通して基準値以下であれば、冷暖房期とその中間期の年4回の測定に回数を軽減できる。
- ×:階数が多い場合は、各階ごとに測定しなくてよい。
- ×:測定場所は、適当な居室を選択し、測定しやすい場所で行う。
- ×:ホルムアルデヒドの測定結果が基準を超えた場合は、空調・換気設備を調整するなど軽減措置を実施後、速やかに測定し、効果を確認しなければならない。
空気調和設備(熱源・加湿あり)の環境測定基準
ビル管法改正により一酸化炭素及び温度の衛生基準が変わりました!
測定項目(7項目) | 基準値 |
---|---|
温度 | 18℃以上28℃以下 |
湿度 | 40%以上70%以下 |
気流 | 0.5m/s(秒)以下 |
一酸化炭素 | 6ppm以下 |
二酸化炭素 | 1000ppm以下 |
粉塵(相対沈降径10µm以下) | 0.15mg/㎥以下 |
ホルムアルデヒド | 0.1mg/㎥以下 |
細かいポイント
温度:居室における温度を外気の温度より低くする場合は、その差を著しくしない。(人体の温度調節機能は5~7℃が限界とされているため)
一酸化炭素:外気の一酸化炭素の含有率が高いため基準値の10ppm以下を保てない場合は、基準値を20ppm以下とすることが出来る。(特例の値を50ppm以下にかえ不適切選択肢として出題されました。)
機械換気設備(熱源・加湿なし)の環境測定基準
測定項目(5項目) | 基準値 |
---|---|
温度 | - |
湿度 | - |
気流 | 0.5m/s(秒) |
一酸化炭素 | 6ppm以下 |
二酸化炭素 | 1000ppm以下 |
粉塵 (相対沈降径10µm以下) | 0.15mg/㎥ |
ホルムアルデヒド | 0.1mg/㎥ |
デキビル
機械換気設備は熱源や加湿装置をもたないため温度・湿度は該当しません。また「機械換気設備を設けている場合、ホルムアルデヒドの量の基準は適用されない。」と不適切選択肢として出題されました。
測定機器について
項目 | 測定機器 |
---|---|
温度 | 0.5℃目盛の温度計 |
湿度 | 0.5℃目盛の乾湿球温度計 |
気流 | 0.2m/s以上の気流をはかれる風速計 |
一酸化炭素 | 検知管方式による一酸化炭素計測器 |
二酸化炭素 | 検知管方式による二酸化炭素計測器 |
粉塵 | 相対沈降径10µm(マイクロメートル)以下の浮遊粉塵を重量法で測定する機器、または厚生労働大臣の指定したものが較正した機器→経済産業大臣ではない。 |