生息調査について
IPM:総合的有害生物管理
- 特定建築物におけるねずみ等の対策のためのIPMとは、建築物において考えられる有効・適切な技術を組み合わせて利用しながら、人の健康に対するリスクと環境への負荷を最小限にとどめるような方法で、環境基準を目標に有害生物を制御し、そのレベルを維持する有害生物の管理対策のこと。(厚生労働省「建築物における維持管理マニュアル」より参照)
- IPMによる、ねずみ・昆虫等の対策に当たって設定される維持管理水準値は、該当建築物又は該当場所ごとに設定することができる。
- 建築物における維持管理マニュアルのIPM実施モデルに示す水準値は、現場の使用用途などの状況に応じた個別水準値を設定することも可能である。
害虫について
- 昆虫などに対する不快感は、第三者による客観的な判断が困難である。
- ぺストコントロール:害虫の防除
- ベクターコントロール:媒介動物防除(感染症を媒介する衛生動物の防除)
- ニューサンスコントロール:不快害虫防除
調査に関連して
- 生息実態調査を行う。
- ライトトラップや粘着トラップで捕獲した蚊の数は、維持管理水準を評価するのに有用。
- 発生時対策より、発生予防対策のほうが重要である。
- 捕獲指数:捕獲総数÷(配置したトラップ×日数)=捕獲指数
- 捕獲指数の対象がゴキブリの場合、ゴキブリ指数という。
- 調査期間中における1日1トラップ当たりの捕獲数をいう。
ゴキブリ指数の計算
- チャバネゴキブリが発生している厨房内の5か所に3日間配置した粘着式トラップでの捕獲数が、成虫30匹と幼虫120匹であった場合のゴキブリ指数は??
幼虫を含む場合
- 総捕獲数150÷(5か所×3日間)=ゴキブリ指数10
幼虫を含まない場合
- 総捕獲数30÷(5か所×3日間)=ゴキブリ指数2
捕獲された雌の卵鞘から明らかに孵化したと考えられる幼虫で、粘着面に捕獲されたものは捕獲数に加えません。実際に出された問題では「…場合のゴキブリ指数は30である。」という選択肢でしたので、どちらの場合であっても不適切選択肢でした。
調査の結果
- 許容水準:環境衛生上、良好。
- 生息密度調査の結果が許容水準に該当した場合、原則として6か月以内に一度、又は発生の多い場所では、2か月以内に一度定期的な調査を継続する。
- 警戒水準:放置すると今後問題になる状況。
- 整理、整頓、清掃など環境整備の状況を見直すことが必要である。
- 措置水準:すぐに防除作業が必要な状況。
- 発生源や当該区域に対して環境的対策を実施し、薬剤や器具を使った防除作業を実施する。
トラップによる生息状況により複数の害虫種が捕集された場合、それぞれの種類の生息密度が「許容水準」に該当する場合でも「警戒水準」にあたると判断する。
デキビル
警戒水準と措置水準を混ぜた選択肢で出題されることが多いです。すぐに防除が必要な状況にもかかわらず警戒水準とあれば不適切選択肢です。またゴキブリ指数を計算の上、選択肢を選別する問題も出ます。