色彩について
- 色彩は、色相、明度、彩度の3つの属性の組み合わせによって表現される。
- 色合いを表す色相(しきそう)
- 暖色:暖かい、積極的、活動的
- 中性色:中庸、平静、平凡
- 寒色:冷たい、消極的、鎮静的
- 明るさを表す明度(めいど)
- 明:陽気、明朗
- 中:落ち着き
- 暗:陰気、重厚
- 鮮やかさを表す彩度(さいど)
- 高:新鮮、はつらつ
- 中:くつろぎ、温和
- 低:渋み、落ち着き
- 色合いを表す色相(しきそう)
- 色彩を使って環境を調整する1つの指針として、ジャッドの色彩調整の原理がある。
- 配色については、室内などの全面積の10%以上を占める色を基調色、それ以外をアクセント色という。
- 環境を機能的に整える環境配色では、一般に事務所などの天井は白又はごく薄い色とし、壁も明るい色とする。
- 環境色の管理は、色彩の持つ性質を利用して安全で疲労の少ない快適な環境づくりを行うためのものである。
色温度の高さ
- 色温度が低い光源(電球色)は、休憩や団らんに適している。
- 昼光色(寒色系:青色)>白色(白系)>電球色(暖色系:オレンジ)
JISの安全色の規定に基づく危険個所に用いる色と意味の組み合わせ
色の種類 | 意味 |
---|---|
赤 | 防火、禁止、停止、危険、緊急 |
黄赤 | 注意警告、明示 |
黄 | 注意警告、明示、注意 |
緑 | 安全状態、進行、完了、稼働中 |
青 | 指示、誘導、安全状態、進行、完了、稼働中 |
赤紫 | 放射能、極度の危険 |
白 | – |
黒 | – |
VDT・情報機器作業について
VDT作業・情報機器作業とは
- VDTとは、Visual Display Terminalsの略称です。
- PC画面や、ディスプレイを注視する作業のことをいいます。
- 情報機器作業とは、パソコンなどの情報機器を使用してデータの入力や文章・画像等の作成行う作業である。
- 情報機器にはタブレット端末が含まれる。
- 情報機器作業者に対する健康診断では、眼の症状、筋骨格系の症状、ストレスに関する症状をチェックする。
疲労の原因
- 作業者の健康に関する調査で、最も多い自覚症状は眼の症状である。
- 遠近両用メガネは目の疲労を起こす。
- 輝度の差が大きいと疲労の原因となる。
- エアコンからの風が当たる場所では、ドライアイを引き起こす可能性がある。
- VDT作業では、表示画面を注視することにより、瞬目の回数が減少する。
- 視野内に高輝度のものがあると網膜の感度が下がり、疲労に繋がる。
- 高齢者は若年者に比べ、目の疲れの回復に時間がかかる傾向にある。
VDT防止策
- グレア(まぶしさ)防止用照明器具を用いる。
- 反射防止型ディスプレイ(ノングレア型)を用いる。
- ディスプレイのグレア防止には、間接照明を用いる。(直接照明は画面に映り込む。)
- ディスプレイ画面に太陽光が入射する場合には、カーテンなどを利用する。
- グレアを防止するためには、視野内の輝度はほぼ同じレベルにする。
- 照明及び採光は、できるだけ明暗の対照が著しくないようにする。
- ディスプレイは、その画面の上端が眼の高さとほぼ同じか、やや下になる高さにすることが望ましい。
- ディスプレイ画面の明るさ、書類及びキーボード面における明るさと、周囲の明るさの差はなるべく小さくする。
- 「目と表示画面との距離」と「目と書類などとの距離」に差が少ないと目の疲労が少なくなる。
- 書類上、キーボード上における照度は300㏓以上とする。
デキビル
近年デスクワークが増え、VDT防止策の重要性が高まってきました。またデスクワークの姿勢も重要でノートPCとデスクトップPCでは、ノートPCの方が姿勢が縮こまりやすく疲労感が高いようです。
情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて
もともとは「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン(VDTガイドライン)」により指導されていましたが、技術革新やIT化等を踏まえた多様な作業形態に対応できるように「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン(令和元年7月12日)」がまとめられ、作業区分等が見直されました。さらに令和3年12月1日に一部改正が行われました。
一部改正部分で注意したいポイントを記載しておきます。
項目 | 改正後 | 改正前 |
---|---|---|
4 作業環境管理 (1)照明及び採光 ロ | ディスプレイを用いる場合の書類上及びキーボード上における照度は300 ルクス以上とし、作業しやすい照度とすること。 | ディスプレイを用いる場合のディスプレイ画面上における照度は500ルクス以下、 書類上及びキーボード上における照度は300ルクス以上を目安とし、作業しやすい照度とすること。 |
一部改正部分が出題されていたことがあるため、過去問に取り組む際は注意が必要です。
- ディスプレイ画面における照度は500㏓以下とする。
出題当時の法令で問題文を作成しているため、現在の法令では不適切な解答・解説となっている場合があるため注意が必要です。大手過去問でも複数年度分の改訂が間に合っていない場合があります。ビル管試験の試験範囲は膨大であるため、改正部分の精査の難しさを感じます。