生体機能の恒常性について
恒常性とは
- 恒常性はホメオスタシスといい、生物は内部環境を一定の状態に保ちつづけようとします。恒常性は、神経系や内分泌系、免疫系等の機能により維持されています。外部環境やストレス、有害物質により恒常性が失われることがあります。
- 恒常性は、主に神経系、内分泌系、免疫系の機能によって維持されています。
外部環境の変化による影響
- 生体に刺激が加えられると、生体内に変化が生じ、適応しようとする反応が非特異的に生じる。
- 外部環境の変化は、まず生体の受容器でとらえられ、神経系等により調節中枢に伝達される。
- 調節中枢は、神経系等により、筋肉等の効果器に指定し、反応等を起こす。
- 外部からの刺激は、受容器で受容されて中枢に伝達され、その後、効果器に興奮が伝えられて反応が起こる。
- つまり、外部環境の変化は受容器→調節中枢→効果器の順に伝えられ反応を起こす。
ストレスの影響
- ストレス負荷による影響は個人差が大きい。
- 有害ストレッサは、恒常性を乱し、病気の発症や経過に影響を与える。
- 加齢は有害なストレッサとなりうる原因には該当しない。
- 許容限界とは、生物が耐えきれなくなるストレス強度の限界のことである。
加齢の影響
- 加齢とともに摂取エネルギー量は低下するが、エネルギーを予備力として蓄えていく能力も低下する。
- 予備力とはストレスが加わった時に対応できる潜在能力のことであり、予備力が低下していると少しのストレスで病気になりやすくなったりする。
有害物質の影響
- 一般の事務所における環境の基準:労働安全衛生法に基づく事務所衛生基準規則
- 学校における環境衛生の基準:学校保健安全法
- 許容濃度とは、労働者が1日8時間、週40時間程度、肉体的に激しくない労働強度で有害物質に曝露されても、ほとんどすべての労働者に健康上の悪い影響が見られないと判断される濃度である。
- 最大許容濃度とは、作業中のどの時間をとっても曝露濃度がこの数値以下であれば、ほとんどすべての労働者に健康上の悪い影響が見られないと判断される濃度である。
- 有害物質による特定の反応においては、曝露量が増加すると陽性者の率は増加する。
- 集団の反応率と有害物への曝露量との関係を、量-反応関係という。
- 個体への影響と有害物への曝露量との関係を、量-影響関係という。
デキビル
量-反応関係、量-影響関係を混ぜて出題されることが多いです。
健康に影響を与える環境要因
環境要因4分類
因子 | 構成要因 |
---|---|
物理的要因 | 気候 温度 湿度 気流 気圧 熱 光 放射線 音 超音波 振動 |
化学的要因 | 空気 酸素 二酸化炭素 窒素 一酸化炭素 オゾン 硫黄酸化物 粉じん 水 し尿 廃棄物 |
生物的要因 | 植物 ウィルス リケッチア 細菌 寄生虫 昆虫 ねずみ 動物 |
社会的要因 | 文化 産業 教育 医療 福祉 行政 経済 交通 情報 宗教 |
試験問題出題例
健康に影響を与える環境要因のうち、物理的要因として最も不適当なものはどれか。
- オゾン(不適当)
- 湿度(適当)
- 気圧(適当)
- 温度(適当)
- 音(適当)
アレルギーについて
アレルギーとは
- 本来外敵を排除する免疫反応が、特定の物質に対して過剰に反応することをいう。
アレルギーについて
- アレルギー反応は、体に有害である免疫反応をいう。
- アレルゲンの同定(原因物質の特定)は、症状発生の防止、治療の上で重要である。
- アレルギー反応の発現には、体内の肥満細胞の働きが関係する。
- アレルゲン同定の方法の一つに、皮内テストがある。
- 花粉症は、アレルギー疾患である。
- 低湿度は、アトピー性皮膚炎の増悪因子である。
- 真菌はアレルゲン(アレルギーの原因物質)となる。
- ヒスタミンは化学伝達物質であり、アレルゲン(原因物質)ではない。
- 過敏性肺炎の一種である加湿器肺の予防には、加湿器の微生物汚染の防止が重要である。
デキビル
アレルギーについてはどれも重要ポイントです。