水質汚染物質について(水銀、カドミウム)
水銀
- 一般に有機水銀と無機水銀に分けられる。
- 有機水銀(水銀原子に炭素が結合した化合物の総称)、アルキル水銀(メチル水銀、エチル水銀等の総称)は生物濃縮を起こすことが知られている。
- 水質汚濁防止法に基づく排水基準の項目に含まれる。
- 水俣病は、メチル水銀による公害病である。
- 小脳性失調を認める。
- 重要な影響の一つに、中枢神経障害がある。
- 過剰に摂取すると大脳に蓄積して、中枢神経の障害を起こす。
カドミウム
- 合金、塗料、電池等の用途に利用される。
- 水道法に基づいて定められる、水道により供給される水の水質基準の基準項目に含まれる。
- 水質汚濁防止法に基づいて定められる、健康に係わる有害物質についての排水基準の基準項目に含まれている。
- 慢性被爆で低分子蛋白尿を認める。
- 富山県神通川流域の一般環境汚染により、イタイイタイ病の原因となった。
デキビル
水俣病は水銀、イタイイタイ病はカドミウムが原因です。
気管支喘息と過敏性肺炎について
気管支喘息
- 有害な免疫反応により引き起こされる。
- 患者の素因は、発症、増悪に関係する。
- 症状の発現には、体内の肥満細胞の働きが関係する。
- 原因となるアレルゲンは、ハウスダスト(ダニ)が最も多い。
- アレルゲンの同定方法の一つに皮内テストがある。
- 増悪予防には、部屋の湿度を下げない。
- アレルゲンの同定は、予防や治療の上で重要である。
過敏性肺炎
- アレルギー性疾患である。
- 大部分の夏型過敏性肺炎は、真菌(トリコスポロン)により、発生する。
- 予防には、飲料用貯水槽や空調用エアフィルタの清掃が重要である。
- 過敏性肺炎の一種である換気装置肺炎は、好熱性放線菌が原因となることが多い。
デキビル
気管支喘息と過敏性肺炎は似ていますが、違いを覚えましょう。
発がん性について
発がんの要因として、
- 食物・栄養(35%)
- 喫煙(30%)
食事や喫煙などの生活環境にかかわるものが原因とされている。
- 感染症が発がんの原因となることもある。
- ホルムアルデヒドには発がん性が認められる。
- ラドンのばく露は肺がんのリスクを上昇させる。
- DNAに傷を付け変異を起こさせる物質をイニシエータと呼ぶ。
- 細胞の増殖を促進したり、活性酸素を増大させる要因(がん化を促進)をプロモータと呼ぶ。
アスベストについて
起因する疾患
- 悪性中皮腫
- 胸膜中皮腫の潜伏期間の多くは20~50年である。
- 中皮腫や肺がんの発症の危険度は、アスベストの累積ばく露量が多いほど高くなる。
- 肺がん
- 肺がんに対してアスベストばく露と喫煙との相乗作用が疫学的に示唆されている。
- 肺繊維症
- 吸引すると肺の繊維化を生じさせる。
- 過敏性肺炎・気管支喘息はアスベストに起因する疾患ではない。
アスベストの特徴
- 過去には断熱材として利用された。
- 自然界に存在する繊維状の水和化した天然のケイ酸塩鉱物の総称である。
- クリソタイルは、アスベストの一種である。
- 労働安全衛生法により、試験研究を除き、使用禁止である。
- 健康障害はアスベスト製品製造工場の従業員に限られていない。
- 労働安全衛生法、大気汚染防止法、建築基準法等により法規制が設けられている。