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建築物の環境衛生

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シックビル症候群

シックビル症候群とは

  • 省エネルギーの気密性の高いビルでは換気不足による空気環境の悪化等が生じやすく、ビル内の一定数の人が不調を訴えることをシックビル症候群と言います。空気環境の汚染はシックビル症候群の一因とされていますが、原因物質は同定(特定)されていません。

原因と考えられるもの

  • 建築物での換気量と関連する。
  • 部屋の気密性が高いことは発症原因となる。
  • 外気の供給不足が発症の危険因子である。
  • 仕事のストレスは、発症の危険因子である。
  • 揮発性有機化物が原因の一つであると考えられている。
  • 体質が発症に関係する。
  • アトピー体質は、発症の危険因子である。
  • 学校でも発生がみられる。
  • 生物汚染物質が原因の一つと考えられる。

シックビル症候群の症状

  • 特異的な症状はない。
  • 胸部圧迫感、めまい、頭痛、息切れ、咳、疲労感(「下痢」は該当しない。
  • そのビルに居住する人の20%以上が不快感に基づく症状を認める。
  • 症状のほとんどは、該当ビルを離れると解消する。
  • 目やのどの刺激やくしゃみ等の症状は、加湿により減少する。
デキビル
デキビル

シックビル症候群ではどれも重要ポイントです。原因がわかっていないので「特異的な症状がある」とあれば不適切です。日本では気密性の高い家が多いので、シックハウス症候群が有名ですね。

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室内空気環境について

室内環境の構成について

  • 窒素は、空気(大気)の約78%を占める。
    • 室内環境下では、窒素の人体への健康影響はない。

環境基準と法律

  • 二酸化炭素濃度は、室内環境の汚染や換気の総合指標として用いられる。
  • 良好な室内環境を維持するためには、1人当たり30m3/h以上の「換気量」が必要である。
    • 類似用語:設備に占める容積及び床面から4mをこえる高さにある空間を除き労働者1人につき103以上の「気積」が必要である。
  • 学校における環境衛生の基準は、学校保健安全法で定められている。
  • 労働者の有害物質による健康障害を予防するために、許容濃度が日本産業衛生学会により勧告されている。
  • 労働安全衛生法ではに基づく酸素欠乏症等防止規則では、酸素濃度が18%未満を酸素欠乏と定めている。

空気汚染物質について

浮遊粉塵

  • 粒径10µm以下の粉塵は、長時間にわたり浮遊し、ヒトの起動内に取り込まれる。
  • 特に肺に沈着し、人体に有害な影響を及ぼすのは、通常1µm程度以下の大きさである。

ホルムアルデヒド

  • 可燃性である。
  • 水やアルコールに溶けやすい
  • 常温では可燃性気体として存在する。
  • 尿素系やフェノール系の合成樹脂の生産に用いられる。
  • たばこ煙中に存在する。
  • 合成樹脂や接着剤の原料となる。
  • 比較的分子の有機化合物である。
  • 人為的な発生源には、自動車の排気ガス、燃焼器具の生成物がある。
  • 建築基準法により、含有建材の使用が制限されている。(基準値が定められている。)

ホルムアルデヒドの影響

  • 粘膜に対する刺激が強い。
  • シックハウス症候群と関連する。
  • 喘息様気管支炎の健康障害を生じる。
  • 防腐剤として用いられる。発がん性がある。

室内におけるホルムアルデヒドの発生源について

  • ユリア樹脂系接着剤、複合フローリング材
  • パーティクルボード、合板、集成材、尿素樹脂発泡型断熱材
  • 家具、カーペット、喫煙など

※コンクリートはホルムアルデヒドの発生源ではない。(「空気環境の調整」で出題されましたが便宜上こちらにも記載します。)

オゾン

  • 水に溶けにくい。
  • 特有の臭気がある。
  • 光化学オキシダイトの主成分である。
  • 紫外線による光化学反応で生成される。
  • 静電式コピー機は、発生源となる。
  • 室内では高電圧を利用している機器から発生する。
  • 常温で特異な刺激臭を持つ不安定な期待である。
  • 一酸化窒素と結合し、二酸化窒素と酸素を生成する。

オゾンの影響

  • 気道粘膜の刺激あり。
  • 肺気腫の健康障害を生じる。
  • 吸入すると肺の奥まで達する。

二酸化炭素

  • 大気中の濃度は0.04%(400ppm)
  • 安静時の人の呼気中には4%(40,000ppm)程度含まれる。
  • 建築物衛生法では、室内の二酸化炭素濃度が0.1%(1,000ppm)以下と定められ、それ以下であれば必要換気量を確保できているとみなされる。
  • 学校保健安全法の学校環境衛生基準では、教室の二酸化炭素濃度は0.15%(1,500ppm)以下と定められている。

二酸化炭素濃度の影響

濃度(%)症状
0.55%6時間曝露で、症状なし
1~2%不快感が起こる
3~4%呼吸の増加、脈拍・血圧の上昇、頭痛、めまい
6%呼吸困難
7~10%数分で意識不明、チアノーゼが起こり死亡

一酸化炭素

  • 無臭の気体。
  • 喫煙により発生する。
  • 酸素よりも200倍以上強いヘモグロビン親和性をもつ。
  • 石油や都市ガスなどの不完全燃焼により発生する。
  • 日本では大気汚染物質としての環境中濃度は減少している。
  • 血中の一酸化炭素濃度ヘモグロビンの濃度が5%未満では症状は見られない。
  • 血液中の一酸化炭素ヘモグロビン濃度が70-80%になると、呼吸中枢の抑制により死亡する。

一酸化炭素ヘモグロビン濃度の影響

濃度(%)症状
0~5%症状なし
10~20%前頭部の締め付け
20~30%頭痛
30~40%激しい頭痛、めまい、嘔吐、悪心、脱力、判断力の低下、失神
50~60%けいれん、チェーンストークス型呼吸
60~70%昏睡とけいれん、呼吸抑制、ときに死亡
70~80%呼吸中枢の抑制により死亡
デキビル
デキビル

各汚染物質の特徴は覚えましょう。太字は重要ポイントです。